2023/07/08
220頁ほどの薄い文庫で、簡単な言葉で書かれているため、すぐに読めてしまいます。ですが、内容が深く、ときどき読み返したい本です。
著者の枡野氏は曹洞宗徳雄山建功寺住職です。庭園デザイナー、多摩美術大学教授も務め、禅の思想と日本の伝統文化に根差した「禅の庭」の創作活動を行い、海外からも高い評価を得ているそうです。
「はじめに」で著者はこう書いています。
今、多くの人はどう生きるべきかに迷い、悩み、足場を失っています。だからこそ、非日常を求め、心の疲れをリセットしようとする。(中略)
わざわざ非日常に出かけなくても、毎日の生活をちょっと変えるだけで、いつも身軽に生きる方法はないものか。
それが本書の「禅的(シンプル)生活です」。(中略)
シンプルに考える癖をつけると、悩みがすっと消える。
シンプルな習慣を身につければ、生きるのはずっとラクになる。(後略)
本書では100個の項目を2頁ずつ紹介しています。1つ1つが短いので、本当にすぐ読めます。そしてそれぞれ独立しているので、必ずしも順番に読まなくてもいいです。
具体的な内容はこうです。「習慣をちょっと変えてみる」の章では、「脱いだ靴を揃える」「字を丁寧に書く」「息をゆっくりと吐いてみる」など。「今、この瞬間を変えてみる」の章では、「平凡な一日にこそ、感謝する」「答えは一つではない」「不安なときほど、自分を信じる」など。
それぞれなんてことのない、当たり前のことのようですが、あらためて読むと禅の深い知識や、著者の体験談などもあいまって、「そうだなー」と納得させられます。禅の思想的なことよりも、実践的な内容が中心ですので、ポケットブックのようにそばに置いて、ときどき読み返したくなる本と言えます。
スポンサーリンク
新品価格 |