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モーツァルト 「ハイドン・セット」の名盤~ジュリアード弦楽四重奏団(1962年)

time 2022/03/26

 モーツァルトの弦楽四重奏曲「ハイドン・セット」は6曲の弦楽四重奏曲で、まとめてハイドンに献呈されたことから「ハイドン・セット」と呼ばれています。

 曲は 弦楽四重奏曲第14番 ト長調 K.387 から同第19番 ハ長調 K.465「不協和音」までの6曲です。中にはニ短調の第15番 K.421や、「狩り」と名付けられた第17番 K.458など有名な曲も含まれます。ケッヘル番号からわかるように、モーツァルトの中期の作品群で、1782年から1785年にかけて集中して作曲されました。

 献呈したときの「わが親愛なる友 ハイドンへ」と題したイタリア語の手紙が残されています。

 少し長いですが引用します。「自分の息子を広い世間に送り出そうと決心した父親にとって、子どもの保護と指導を、非常に高名な、そしてたまたま最愛の友人となった方に託すのは、父親の一つの義務です。同じように、私も、最も高名な最愛の友人に、私の6人の子どもたちをお渡しいたします。(後略)」

 モーツァルトがハイドンに対して、いかに深い尊敬と友情の念を抱いていたか、読み取ることができます。

 ハイドンの弦楽四重奏曲はこのジャンルを確立した傑作ぞろいですが、モーツァルトはこのハイドンの作曲手法から多くを学んだうえで、自らの個性を刻印した名曲を生み出しました。古典的な4楽章構成を用いつつ、はつらつとした躍動感や対位法的手法など、モーツァルトならではの瑞々しい清冽さ、愉悦感にあふれた曲ばかりで、たしかに弦楽四重奏の傑作と言われるのもわかります。

 演奏では、ジュリアード弦楽四重奏団の旧盤(ソニー、1962年)が良いです。 

 米国のジュリアード音楽院の教授らによって、1946年に結成された、20世紀を代表する弦楽四重奏団です。この録音のメンバーは、50年以上にわたって第1ヴァイオリンを務めたロバート・マン、イシドア・コーエン(第2ヴァイオリン)、ラファエル・ヒリアー(ヴィオラ)、クラウス・アダム(チェロ)です。

 この四重奏団は、それまで第1ヴァイオリンが主導して、他の3人はそれを支えるタイプの演奏が多かった中で、高度な技術を持つ4人の奏者が均等に主張しあう、今では主流となったスタイルを確立したとされています。

 実際に聴いても、その通りで、マンの第1ヴァイオリンは適度に主張しつつ、しかし他の3人もよく支えないながら、時にはぶつかり合い、調和しあいながら、まさに「四重奏」といった演奏を聴かせます。そして、古典派の枠を超えず、あくまでも端正なスタイルで統一されているのも素晴らしいことといえます。ジュリアード四重奏団は1970年代に「ハイドン・セット」を再録音していて、そちらはさらにスケールが大きくなっていますが、私はどちらかというと旧録音の方を彼らの新鮮な魅力があるような気がして好んでいます。

 この「ハイドン・セット」、屈指の名曲だけにほかにも名盤が多いです。スメタナ四重奏団、メロス四重奏団、イタリア四重奏団などなど、好きな演奏も多いのですが、これらはまた別途書きたいと思います。 

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