「Aではない君と」（記事はこちら）

がとても面白かったので、薬丸岳さんの別の小説「誓約」を読んでみました。結論から言うと、「Aではない君と」ほどの感銘は受けませんでしたが、謎解き的な要素が強く、最後まで一気に読んでしまいました。

「Aではない君と」では、少年犯罪の加害者の親子が主人公でしたが、「誓約」はかつて罪を犯した者たちを、主人公と被害者の母とのある「約束」によって、主人公が殺さなければならなくなる、という設定です。

被害者の母はすでに亡くなっているため、主人公は誰が自分を脅かしているのか懸命に調べますが、なかなかつかめません。そして、最後になって意外な脅迫者と、その動機が明らかになります。

文体にこなれていないところがあるのと、展開的にやや取ってつけたような部分もあるような気がしましたが、主人公の運命が気になり、一気に読ませてしまうストリーテラーとしての才能は十分感じることができました。

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