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ハンガリーの民族性を歌い上げた名演 コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団

time 2017/08/16

ドラティのバルトークの記事を書いていて(ドラティのバルトークの記事)、ふとオーマンディの指揮したコダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」を思い出しました。

オーマンディにしては熱い演奏で、ハンガリーの血がそうさせたのかと思うような、民族的な演奏です。

コダーイ・ゾルターン(1882~1967年。西欧風の名・姓の順で表記すると、ゾルターン・コダーイ)も、バルトークと同じハンガリーが生んだ大作曲家です。ハンガリーの民謡に取り組んだ人として、また多くの合唱曲を作曲した人としても知られています。

代表作がオペラ「ハーリ・ヤーノシュ」で、このオペラを基にした組曲は、コダーイの作品で最も知られた作品でしょう。

とにかく楽しい曲です。タイトルのハーリ・ヤーノシュはハンガリー版の「ほら吹き男爵」というべき人物で、周囲に「7つの頭を持つドラゴンを退治した」「ナポレオンに勝って捕虜にした」など荒唐無稽な冒険談を話して聞かせます。

組曲は6曲からなります。第3曲と第5曲にハンガリーの民族楽器「ツィンバロン」が使われています。西洋の琴のような音がします。私は一度、実際のコンサートで聴いた事があるのですが、指揮者の前にツィンバロン奏者がいて、音量が小さいため、たしかPA(マイク)が使われていたと思います。

第1曲「前奏曲、おとぎ話は始まる」は、盛大な「くしゃみ」を模した音で始まります。「聞いている者がくしゃみをすれば、その話は本当のことである」というハンガリーの慣用表現から来ているそうです。

第2曲「ウィーンの音楽時計」はリズミカルな親しみやすい音楽で、かつて日本テレビの天気予報のテーマ音楽として使われていたそうです。第3曲の「歌」はゆったりした曲。無伴奏ヴィオラが哀愁に満ちたハンガリー民謡を奏で、ツィンバロンが絡みます。

第4曲「戦争とナポレオンの敗北」では、コミカルに戦闘の様子が描写されます。

第5曲「間奏曲」は、この組曲の中でも1番有名ではないでしょうか。情熱的なハンガリー民謡がツィンバロンの伴奏に乗って繰り広げられます。第6曲「皇帝と廷臣たちの入場」は豪華絢爛なオーストリア宮廷の様子が描写されます。徐々にテンポを速め、最後はバスドラムの強烈な一発で終わります。

全編を通じて、民謡を基にした親しみやすいメロディーにあふれ、オーケストレーションも面白く、飽きさせない音楽です。子どもに聴かせても喜ぶのではないかと思います。

ユージン・オーマンディ(1899~1985)はハンガリー出身の大指揮者。長らくアメリカのフィラデルフィア管弦楽団の指揮者として活躍しました。

一般にはゴージャスなフィラデルフィア・サウンドを使って、豊麗、優美な演奏をする指揮者と見られ、ドイツ重視のわが国では一段低く見られている感が拭えませんが、私はオーマンディは大好きです。オケを操る技術に長けているのは間違いないですが、決して外面的な効果ばかりを狙った指揮者ではなく、作品の本当の姿を追求した真摯な指揮者だと思っています。

とはいえ、ベートーヴェンやブラームスとなると、伸びやかさ、屈託のなさといった独特の魅力はあるものの、どうしても踏み込みが浅く、凝縮された深い感動を得るタイプの演奏とはいえません。

前に書いたメンデルスゾーン(オーマンディのメンデルスゾーン「スコットランド」)のような曲、それにロシアものやスラブ系の作品がやはり素晴らしいです。

このコダーイは、冒頭から自身に満ちた表現で聴かせます。特に第5曲「間奏曲」は、オーマンディにしては自己をさらけだして歌い上げた印象を受けます。音楽評論家の故・志鳥英八郎さんなら「マジャールの血が燃えたぎる」などと評するような熱さです。

第3曲の「歌」はしっとりとした表現が格別で、行ったことはないのですが、東欧の田舎の夕暮れの風景が目に浮かぶような演奏です。

第2曲や第6曲のようなエンターメント性の強い音楽は、まさにオーマンディの自家薬籠中のもので、分厚い響きでありながら、切れ味の鋭さを両立した稀有な名演です。

オーケストラの上手さはいわずもがな。弦楽合奏など、ややゴージャス過ぎると思わなくもないですが、まあ許容範囲です。ツィンバロンも実際にはここまで大きな音では聴こえないと思いますが、大き目の音で収録されていて、オケとの絡みがよく聴き取れます。

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